心と体

CVの入れ替え、また入れ替え

 

ビリルビン上昇で胆管炎が疑われていた朝(前記事)、採血が終わるのを病室の外で待っていると、先生が来て、「CVから採血ができなくなった。点滴は入っているけれど、血液が引けない。完全に詰まってしまう前に入れ替えをしましょう」・・ 恐れいていたこの日が来てしまった。緊急ではないけれど、緊張が高まる。

 

 

 

CVを入れてくれた子ども病院へ連絡、返事を待つ。その間、病院の救命の先生が来て(ハルハルのお世話になっているのは、小児外科のない、大人の病院)、ハルハルを診る。「できると思うけれど、こどもはやったことがないし、心配もある。できれば、子ども病院でやってもらいたい」。

 

 

 

翌日、子ども病院へ搬送。待合いで待つ。数時間後、「やはり左にはどうしても入らないので、今の右のそけい部のを入れ替えます」と先生が言いに来て、さらに待つ。パパも仕事から駆け付けて一緒に待つ。待って待って、無事に終わったと看護師さんが来て、ようやく胸をなでおろす。すぐ元の病院に帰る。

 

 

 

看護師さんに身支度を整えてもらった後、導尿をしようと見ると、お腹から太腿の一部は広く内出血で痛々しい色に変わっていた。感染リスクなどを考えて、何とか違うところから入れようと、先生たちが奮闘した痕跡がみてとれる。ハルハルの血管が細く、深く、蛇行していて、無理だったらしい。長時間がんばったハルハルは、ぐったり。うんうん、大変だったね。点滴を長時間止めていたせいか、移動が負担だったのか、この後の血液検査の数字は、軒並み悪化した。

 

 

 

これだけハルハルも先生もがんばって入れ替えたCV、大切に、大切にしていこう!

 

 

 

そう心新たにした矢先、3本に分かれているCV1本が、はじめから血液が引けないと言われる。たぶん血管の壁にでもあたっているのだろうとのこと。閉塞アラームも時々鳴る。さらに、滲出液らしき漏れが日に日に増加。ガーゼの当て方を変えるなどして対応していたけれど、1日待たずにガーゼが絞れるほどになってしまった。血糖値測定器で測るとHIGHの表示・・滲出液ではなく、輸液が漏れてる!1週間前に入れ替えたCVが挿入部近くで破損していると推測されるので、週末になる前に、今日、交換した方がいい、と先生。

 

 

 

あれだけ苦労したのに、あんなにがんばったのに、そんなことがあるとは・・

 

 

また他の病院に交換のため移動したら、またかなりの負担が体にかかってしまう。それを避けるために、ガイドワイヤーを使っての交換は問題なくできたことを子ども病院の先生に確認し、何かあったら搬送できる態勢をとって、同じ病院内で救命の先生にCVの入替えをお願いすることができた。1時間もかからず、入替え完了。

 

 

 

たまたま主担当医不在の日だったので、他の小児科の先生たちが奔走して、寄り添ってくれた。

 

 

 

「ハルハル、色々トラブルはあるけど、その都度、運も強いよね~」 病室へ戻るストレッチャーを押しながら、先生が言う。「そうして、ハルハルのことを知ってくれてる他科の先生も増えていってるし」。ほんとに、そうだ。トラブルがないに越したことないけれど、トラブルに遭遇してしまったら、それを乗り越えて将来に繋げられる運と生命力を、ハルハル、持ってる。これまで、何度も。

 

 

 

漏れもほぼなくなった様子。これでしっかりお薬も入る。何度もがんばった分、よい方向に向かいますように

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胆のう炎、胆管炎

書かずにしばらくたってしまいました。すみません。バックデートしていくつかアップします。ハルハルの記録がいつか誰かの役に立つかもしれないので。

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少し落ち着いた日々を過ごせたので、注入再開してみようということに。膵炎の場合は、このタイミングがとても重要らしい。再開したら膵炎が悪化して、また輸液に戻るというのをくりかえしたお友達もいるし、経腸栄養を早期に始めることで、感染性合併症のリスクが軽減するという文献もある。何からどのくらい始めるかに基準はなく手探りなので、とにかく少量のソリタを数時間かけてゆっくり腸瘻から入れてみた。結果・・膵炎の指標となるアミラーゼやリパーゼの数字が大きく跳ね上がり、1日で中止に(涙)

 

これら数字のは2日程度で注入前のレベルに戻ったのだけど、一緒に上昇したビリルビンが何故かじわじわと上がり続けた。もともとあった胆石が、注入再開をきっかけに胆管に流れ出てしまったのか?エコーでみても、詰まったような症状はみえないらしい。そうしているうちに、ついにCVの調子が悪くなってしまい(後記事)、小児外科のある病院へ再度行って交換して即日戻ってきたら、体にかなりの負担がかかってしまった様子。全体的に状態が悪化、ビリルビンもさらに上昇し、白眼や肌の黄色みもはっきりしてきた。

 

やはり胆石などで胆汁が滞る、胆管炎(胆管閉塞ぎみ)、胆嚢炎(胆嚢内の細菌感染)が疑われ、これまでは抗菌薬で抑えてきているものの、細菌を含む胆汁が肝臓へ逆流すると敗血症等が起こる可能性があるという。ハルハルの状態では、ERCP(内視鏡的胆管膵管造影)という検査・治療や胆嚢摘出といった手術はできない。体への負担を考え、PTBD(経皮経肝胆道ドレナージ)で、皮膚からチューブを刺して体外へ胆汁を流すことになった。

 

第一人者といわれる放射線科の先生が、これまで小児はやったことがないけれど引き受けてくださり、予定した時間よりかなり早く、上手に入れてくれた。慣れない小児で、側彎で内臓の位置も違って、かなり難しかっただろうに、胆嚢の中でチューブが巻いて、できるだけ泥などが排出できるように工夫までしてくれて。出てきた胆汁は結構量があり、濁りもあって感染もあった様子。よかった、この時点で対応できて。他の病院への移動がない分、体への負荷も最小限で済んだ。入れてもらった直後から口の動きが活発になって、ハルハル、楽になったみたい。本当~によくがんばりました!根本的な解決策ではないけれど、最大限の効果が出ますように

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膵炎

「いつもの」尿路感染、「昔の」左耳の膿瘍、その次には、「初めての」が、来た。

 

 

 

先週末。週明けの採血の結果はきっと改善していて退院も間近と見込んで、ハルハルを迎える家の準備も開始。

 

月曜朝。高めの心拍が落ち着いて来ない、お腹の上の方がポッコリ膨らんで今までにない感触、気になる。でも、血液検査結果は良好。CRP1を切り、抗生剤も終了。ただ、先行指標の白血球がわずかに上昇。何もないといいけど。

 

日中。心拍はじわじわ上がり続け、明朝、再度採血してみることに。嫌な予感。

 

夜中。サチュレーションも維持できなくなり、酸素投入。急遽採血、CRP5まで上がり、抗生剤再開。

 

火曜朝。夜の話を聞いて、また短期間での尿路感染再発か~、勘弁してほしいな~、なんて思ってた。この頃は。

 

 

 

でも、尿から菌がでない。真菌感染か、CVカテーテルからの感染か・・いくつかの可能性を検証していく。CT検査に行く直前、先生が「アミラーゼが大きく上昇してる。膵炎かも」と。膵炎。知ってる。小児には稀、だけど13トリソミーのお友達で何人か大変な思いをしている。CT検査では臓器の腫れはそんなでもなかった。けれど、追加の血液検査でリパーゼの数字も跳ね上がっていて、重症膵炎の診断に。膵炎の原因にはいくつかあって、13のお友達でも様々。胆石や薬の副作用は、ハルハルの場合該当しなさそう。臓器の形状の問題については、検査が大変すぎてハルハルには現実的に難しい。一番考えられるのが、先行感染と低栄養とのこと。

 

 

 

同時に、血液の凝固のバランスも崩れ、DICという深刻な状態にもなっていることがわかった。

 

 

 

注入をストップして輸液を大量に入れ、酵素阻害薬、鎮痛薬、抗菌薬(壊死進展予防等)、抗凝固薬など、点滴の内容が一変。さらに、ヘモグロビンや血小板、アルブミンの低下、浮腫みや胸水による呼吸状態の悪化など、日々バランスを取っていくのがすごく難しい。検査や薬や輸血も、増加すれば体に負担をかける。

 

 

 

13のお友達の膵炎の経験を教えてもらうと、みんな突然の発病、急な増悪から、長くて大変な闘病となっていた。手術が現実的でなく、今入っているCVが頼みのハルハルには、さらに厳しい・・ 希望が持てるとしたら、入院中だったおかげで、早期に発見・治療が開始されたこと。ほんの数日の差、退院してしまう前でよかった。CVを抜く前でよかった。耳が腫れたからフォローしていたアミラーゼの数字が役に立ってよかった。・・ハルハル、やっぱり持ってるよ。

 

 

 

今までにないくらいたくさんのポンプで輸液や薬や輸血を繊細に調整してもらって、初期のコントロールがついて少し落ち着いて。でもやっぱりバランスをとるのは難しく、改善も足踏みになったり、腎機能への影響もでてきて治療や検査に優先順位をつける必要も。そんな予想を超えた新しい敵にも、ハルハルらしく日々勇敢に戦ってます。大好物のスイカを舐めて、大好きな人たちに面会してもらって、喜びから力が湧いてくるようです。

 

 

 

応援してね~

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乳様突起炎からの皮下膿瘍

CVを入れてもらいにこども病院を往復した日を境に、おしっこもまた出にくくなって浮腫みが一段増し、CRPも再度上昇したりして、また我慢ガマンの状態に。

 

でも、追加の抗生剤が効いたのか、数日で耳の後ろがタプタプと膨らみ始め、確か炎症で赤く腫れているのがこう変化してくると、切開して膿をだせるんだったよね、と記憶を手繰り寄せていると、週明け、耳鼻科の先生が処置してくれました。ハルハル、直前はサチュレーション下げたりしてたり辛そうだったのが、出したらラクそうに。

 

ハルハルの場合、乳突蜂巣の外壁の骨に欠損があって、それで、通常は骨の内部で収まる炎症が骨の外側の皮下に膿瘍が及んだとのことで、乳様突起炎からの皮下膿瘍との診断でした。

 

膿が取り除かれて、お薬の効きもよくなるといいな〜。

 

そうしたら、今度は低血糖が発覚。うわぁ、なん年ぶり??

 

まるで懐メロ番組か?!とつっこみたくなるような、忘れていたような過去の病が次々に再登場する今回。全体的に体力が落ちたりストレスがかかって、じっとくすぶっていたのがムクムクでてくるのか??あまりに昔だと当時の先生も異動になっているし、ママの記憶も覚束ないところもあるけれど、経験則と新たな視点で、今のハルハルに一番いいアプローチがとれるといいな。

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今回は、「たまねぎちゃん」にはならず

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転院、はせずに、とんぼ帰り

月曜に入院してから、尿にも耳にも効くことを狙って幅広い守備範囲の抗生剤を投与。利尿剤頼みとはいおしっこも出て浮腫みもへり、CRP3まで下がり、繊細な点滴のルートに超~気を付けてはいるものの、それなりに気が緩むくらいバイタルも様子も落ち着いてた。ただ、耳介と周囲の腫れについては耳鼻科も皮膚科もはっきりせず、ほんのりとした見た目の進行もあまりなく。でも、抗生剤が入っているのに腫れが引かないので、金曜午前にCTを撮って確認することに。

 

そうしたら、膿瘍、発見。また乳突蜂巣炎??経験してたのだから、見た目それほどでなくても、念のため、早くCTを頼めばよかった・・

 

治療には、点滴がマスト。ところが、前夜、残念ながら漏れて使えなくなっていた。長時間再トライしてもらって、1本取れたのもつかの間、また漏れてしまった。もう、どうしても入らない。

 

ハルハルの病院は小児外科がなくCVを入れられないので、3月に続き、子ども病院に行くことに。今回は転院ということで、バタバタと部屋を片付け、搬送してもらった。

 

子ども病院の救急で、長い長い時間待つ。ハルハルは、右腿しかCVが入るところがないと聞いている。以前、6か月しかあけずに入れようとしたら、血管が細く迂回してしまっていて、CVは無理だったことがある。2ヶ月しかたっていない今回は、大丈夫なのか・・だめだったら、どうなるのか・・

 

不安に包まれた数時間の後呼ばれ、ようやく入った、でも、かなり難しかったと。そして、CV入ったら元の病院の耳鼻科で診れると話がついたので戻るように、と言われ、また入院の大荷物と共にドクターカーに乗り込んで、とんぼ帰り。

 

元の病室に戻り、金曜消灯後の病院で、黙々と再セットアップ。朝から、点滴トライ→CT→再トライ→搬送→CVトライ→再搬送・・・と続き、ケアはおろか、一日水分も栄養も取れなかったハルハル(とママ)。涼しい日で本当によかった。疲れたね。よくがんばったね。次回なったら?の心配は、また今度考えることにして、今夜はもうゆっくり休もう。

 

左耳、腫れてるの、わかるかな?ストレスなのか、毛玉ボールができるほど、髪が抜けるのです・・

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入院

ハルハル、入院しました。結局というか、やっぱりというか、骨折だけでは済みませんでした。いつも体力や免疫が落ちると、おとなしくしていた菌がいきなり弱いところを襲ってくる、そんな印象。だから、大事にしなくちゃいけなかったのに・・

 

骨折と判明して2日後からおしっこの量がガクッと減少。骨折箇所に気をつけながら病院に連れて行ったり(これがなかなか苦労モノ)、訪問診療を受けたり、1週間で何回も血液検査しても、CRP1台から上がらない。でも浮腫みは進み、利尿剤で様子をみることとなった矢先、ふと左耳掃除をしようしたら耳の穴が狭くなってる?!耳たぶや周囲も少し腫れてほんのり熱感もありそう。他の状態に変化はないけれど、5年前の乳突蜂巣炎の経験から嫌な予感がして、パパに翌日月曜の朝一番に病院に連れて行ってもらうことに。そうしたら。朝突然、お腹がバクバク拍動して、サチュレーション下がる、心拍跳ね上がる。あー、2年前の尿路感染の時に見た症状。来た、感染だ。

 

病院で血液検査してもらうと、金曜に⒈2だったCRPは⒐1に急上昇。尿路感染か、耳なのか。待っている間にもサチュレーションを維持できなくなり、そのまま入院。検査で先に処置室に行くと、またもお腹バクバク開始。長くてキツそう。

 

待っている間も不安。骨折で両手が使えないうえに、全身浮腫んでいて浸出液で採血も上手くとれないような状態で、点滴のルートを取れる可能性はいつもにも増して低いだろう。前回入院から2ヶ月しかたってないので、子ども病院に搬送してもらってもCVが取れるかどうか 頭の中はグルグルグルグル。長い時間かかって出てきた先生、「1本点滴のルートが取れた」と!他の先生曰く、「よく取れたよね~。もう神の手の領域ね」

 

病室に運んでもらうと、まだ抗生剤も開始していないのに、すっかり落ち着いた様子のハルハル。安心したのかな。お家で頑張るにはもう限界と思って、ママにもわかりやすく見せてくれたかのかな。

 

とても細くて不安定な場所だという、大事な大事な点滴のルート。一日でも長く、一回でも多く、お薬、行きますように、早く効きますように。おしっこ、出ますように。

 

外来で待つハルハル。両腕に包帯。辛かった時間帯。

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骨折

ハルハル、骨折していました。それも両腕。生まれて初めての骨折。ひじの上あたり。
 
【発見】は、移動教室から帰宅後の着替えの時。昼間まったりしていた時に、腕を触ったら心拍がタタタっと上がったのが気になって、ヘロヘロに疲れていたのだけど寝る前にそれだけは確認しようと服を脱がせたところ、ほんのり熱感、赤み、腫れが。右ひじの内側には内出血。翌朝、訪問診療の先生に診てもらって、昼前に病院へ。整形で骨折と判明。シーネ(という名称すら知らなかった)で固定し、帰宅。はっきりと心拍が落ち着き、表情も柔らかに。それまでどれだけ痛かったんだろう、ストレスだったんだろう・・
 
【原因】は、「はっきりわからない」とお友達の骨折経験ママ達が口を揃えて言うのが、よ~くわかった。心拍の上昇と険しい表情に気づいたのは、火曜日の夕方。その日の午後には、はじめての遊具で運動した学校の授業、いつもは着ないかぶりのTシャツの着替えがを含む訪問看護があった。それぞれに振り返りをして色々な発見があったけれど、でも、可能性は排除できないけれど、しっくり特定できるわけでもなく。日常のいつもの動きでも少し何かが違っただけで折れることもある、とも聞くと、ママだって可能性がないわけではないし。その場で、準備で、何をどう違えてできたら、その可能性は低くできたのか、考える。
 
【発見まで】に約2日もかかってしまった。その間シャワー浴や移動教室があって、いつも以上に腕を動かす機会が多かったのも、負担を増す結果となってしまった。一方で、ヘルパーさんと一緒の訪問看護が2回など多くの人との関わりがあって、心拍の変化等に気づいていたのに、もっと早く発見できなかった要因としては、経験上、感染、痰詰まり、呼吸器の不調といった、他の事を先に疑ってしまったから。可能性の高いと思われる順に検証・解決していって、でも心拍は高いまま、ということを繰り返し、骨折も確認したものの重きが置かれることなく見過ごしてしまった。結局、他のバイタルは問題なく、移動教室へのドキドキと解釈してしまった。さらに、いつもより肘が曲がるな~と思う場面さえあったのに、リハビリ頑張ったのかな?と、都合よく流してしまったママ。先入観は自分が思うより強く、経験したことのないことは十分に疑う術すら知らない。
 
【受診後】は、訪問看護師さんやリハビリの先生が次々に家を訪れて、必要な手助けやアドバイスをくれている。避けたいのは二次被害。思いのほか固くて重いシーネ、丁寧にゆっくり扱って圧を分散させないと、他のところを痛めたり、褥瘡を作ったりすることもあるそうだ。さらに心配なのが、ハルハルの体力が衰えると襲ってくる、いつもはおとなしくしている尿路感染の菌。もう十分に痛い思いをしたハルハル、どうか骨折だけで(というのもヘンだけど)済みますように、と祈る毎日。だけど、そういうわけにいかないのか、原因不明で尿量が減って戻らない・・
 
2か月前に強烈な感染に苦しんだから、今年の残りの日々は穏やかに、ということだけを願っていた。だから余計、「避けられた」かもしれない骨折の、ハルハルやママはもとより、原因や見逃しに関わったかもしれない人たち、さらに周りのすべての人たちの、気持ちへのダメージは小さくない。予定していたショートステイは骨折を理由に断られたけど、そのような骨折由来の影響が将来どのようにでてくるのか、まだ予想もつかない。でも起こってしまったことにこだわっていても仕方がない、ハルハルの(そして、他の子どもたちの)よりよい未来につながるような振り返りをしたら、あとは、今できることに集中する。今は、それだけ。

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厳しい話、からの回復(途中)

甘かった。前回内服薬で効いたから、今回も大丈夫、とは限らない。菌の種類が、強さが、違う。


入院2日後の朝。先生たちから血液検査の結果をきく。あっという間に、急激に、悪化していた。

「厳しい話をします。全身状態が非常に不安定になっています。内服薬では抑えきれていないようです。炎症反応は20を超え、腎臓や肝臓の数字も悪化しています。尿路感染が他の複数の臓器にも影響をおよぼしていて、菌が血液に入っている可能性もあり、集中治療が必要な、予断を許さない状況です。どうしても末梢静脈から点滴のルートがとれない今、小児外科のないこの病院ではできることが限られています」

治療の選択肢を増やすためには、胃ろう造設をしたこども病院で中心静脈カテーテル(CV)を入れてもらう必要がある。でも、1年前に入院したときは、CVがとれなくて綱渡りだった。搬送すれば大丈夫、とも限らない。

病室に戻る。点滴がなくフリーなのをいいことに、抱っこをさせてもらう。昨日より力がない。肌も黄色っぽくなってきている。抱っこしているとサチュレーションが下がっていく。それでもハルハルは口を動かしてて、生きる意志に疑いはない。パパと一緒にもう一度先生方から話をきき、納得のうえで搬送をお願いした。

救急車で移動する。ハルハルの人生2回目の救急車。フロントガラスからわずかに外が見える。週末の一車線の幹線道路は上下線とも大渋滞で、両脇に寄ってもらってできた真ん中の隙間をセンターラインをまたいで救急車は走っていく。安全のために救急車が減速すると、目の前を、気づいていながら敢えて横切っていく、人や車。大切な人が救急車で運ばれたことなどなくて、想像が及ばないにしても・・

こども病院の救急に到着。処置をしてもらう間、2時間くらい待つ。呼ばれて面談室に行く。緊張。先生は、「右腕に末梢が一本と、前回入らなかった右足にCVがとれたが、体力が持つのと治療の効果がでるのとの兼ね合い次第」と。とにかく、回復のための絶対条件がクリアできて、ほっとする。

末梢の方は長く持ちそうにないが、CV2週間は大丈夫だろうから、治療はもとの病院に戻って行うということになり、一泊だけICUで過ごす。独特の緊張感、慣れない環境の中、パパとママで交代で付き添う。なんとかルートをとろうとした手足はあざだらけ。頑張った勲章。手を握りながら、体をさすりながら、モニターの数字から目が離せないのは、どの親御さんも一緒のよう。幸いバイタルは一時期より落ち着いてきた。

翌朝、もとの病院に戻る。
いつもの病棟、いつもの先生や看護師さん。連日の移動は疲れるけれど、安心な気持ちが治るチカラにつながりますように。その日のうちに、腕のルートは使えなくなり、頼みの綱はCVのみに。菌を叩くことはもちろん、栄養、水分、ミネラル、呼吸その他、バランスを失ったものをひとつひとつ、丁寧に、慎重に、治療方法を調整。数日かけて段々と検査結果が改善。黄色い肌が薄くなっていく。


ジェットコースターのような1週間が過ぎ、ほとんどの血液検査の項目で正常に戻った。けれど、呼吸はまだ不安定で浮腫みも続いている。かかった負荷が大きすぎて、一本調子に回復とはいかない様子。だけど、短期間でここまで来られたことに、とにかく感謝。

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出生前診断の今に思う

5年前に臨床研究として導入された新型出生前診断が、認定施設を大幅に増やし、対象疾患や年齢制限も見直す等して、本格実施の方向性という新聞記事を年初に読んだ。ドラマなどでも取り上げられるように、希望者が増加傾向にある中、無認可施設で受ける人も増加、十分な遺伝カウンセリングが行われない等の実態へ対応したものでもあるらしい。
 
 
この間、以下のような方々に実際に出会った。
 
 - 新型出生前診断を受けて陽性と診断されたが、羊水検査で問題がない(診断が間違っていた)ことがわかった
 
 - 障害児を生みたくないと新型出生前診断を受け、陰性との結果で安心していたら、出産後に別の重い障害が発覚した
 
 - 出生前診断を病院から何度も強く提案され、それを受けると中絶を勧められそうな雰囲気を感じ、何があっても産みたいからと、検査を断り続けるのが大変だった(複数)
 
 
これだけでも、事前にちゃんとした検査についての説明やカウンセリングを受け、検査の限界も十分に理解したうえで決めないと、誤った判断や重大な思い違いをしてしまう可能性がありそうなのは確か。
 
その上で、産みたい方、子どものためを思ってできることはしてあげたい方への病院のサポートは十分なのかが、すごく気になる。異常判明の96%が中絶、というのも、陽性なら産まないために検査を受ける人がほとんど、ということだけなのに、数字だけが独り歩きして、妊婦さんのプレッシャーになっていないだろうか。そして、ハルハルの時のように、検査を勧め結果が出たら、うちでは産めません、うちでは積極的な治療はしません、と病院から言われたりしていないだろうか。医療機関が、どんな親の判断でも尊重し、寄り添って対応してくれてこそ、出生前診断が心のあるものになる気がする。
 
親の会を通じてメールでやり取りをする機会のあったママが登壇するイベントを紹介いただきました。当事者の声や経験はとても貴重なもので、その勇気に感謝です。同様のイベントが各地であって、お子さんと親御さんにとってよりよい形になるよう考える機会になりますように。
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耳そうじ

ハルハル、春の定期検査入院を、無事に終えることができました。去年の、まさにこの入院で胃瘻が腸瘻になるアクシデントが起こったというトラウマを頭から追い出すかのように、入院前には「今年は無事に帰ってくるから!」と周りに言い回って、自分に気合を入れていたママ。途中、急に外気温があがった日に、それを敏感に感じたハルハルの体温が半日くらい37度を超えたらしく、病院の先生や看護師さんをヒヤヒヤさせたけど、掛物をはいでもらったら下がってきて、皆ほっ。検査では大きな問題が見つかることもなく、今後の栄養や薬、ケアの方針の話などできてよかった。
 
入院の一番最後は、耳鼻科での耳掃除。これまで何回か耳の周りを腫らした時には、「耳垢が溜まっていて鼓膜が見えない!」と耳鼻科の先生を困らせていた。かといって、そんなときに耳掃除もできず。ようやく半年前の検査入院で、数日前から点耳薬を入れて耳垢を柔らかくしてから、初めてしっかり耳掃除をしてもらった。「すっごい取れたんですよ~!」と報告を受けたけど、そりゃあ10年分だもんね・・ 今回も耳を覗いてもらったら溜まっているということで、今度は母も立ち合いのもとで再挑戦。耳にロート?のようなものを差し入れて、細いピンセットや吸引チューブのようなもので取る。もはや耳垢とは言えないような真っ黒の大きな塊が取れたときには、囲んでいた看護師さんや先生からも「お~っ」と低いどよめきが。前回の取り残しか、耳垢が溜まりやすい体質か姿勢なのか、わからないけど、たった半年でこれでは、定期的に見てもらったほうがよさそう。
 
退院後、前回あった耳の穴からの出血は今回はなかった代わりに、点耳薬のせいか、耳全体が赤く、ガサガサになり、薄い皮がむけるのが数日続いた。なんか痛痒そう~。耳をきれいに拭いて、プロペトを塗っていたら、おさまってきた。
 
そういえば、学校の先生などから「ハルハル、本当によく反応するようになりましたね~」と褒められるようになったのは、半年くらいまえからでは?もしかすると、耳がスッキリして、よく聞こえるようになったのかな??学校でこの話をしたら、先生がハルハルの耳元で「お~い、よく聞こえる~?」と。先生、それ、私も思わずやりました
 
最近は、耳垢は取るな!自然に出てくる!とか一般的には言われてるけど、耳の穴を覗いてもらったことのない方、一度試しに診てもらっては?
 
退院すると、庭のオカメ桜が満開。でも、蜜を目当てに鳥がたくさん来て花を落としてしまうので、それを集めてハルハルの髪に飾ってみました。もうすぐ本格的に桜の季節だね
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